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制作は楽しいことばかりではない

番組制作の仕事は、決して華やかなものばかりではありません。関わる芸能人などもただの人であり、カメラを通してテレビに映るから価値があるのです。誰もが毎日を一生懸命生きる「人」です。

番組制作に憧れる人の中には「芸能人としごとをしたい」と考えている人もいるかもしれませんが、そのようなミーハーな気持ちが原動力であるとすれば、あっという間にその期待は満たされることになり、ただ「辛い」という気持ちだけが湧いてくることでしょう。何かひとつの作品を作るだけで仕事が終わるわけではなく、その取り組みはその仕事を続ける限りずっと続くものです。それは終わりのないクリエイティブであり、辞めるまで続けることになります。

「創る」ということは私たちの取り組みの根本的なものです。何かを作らずにはいられない性質を私たちは遺伝子的に持っているのかもしれません。子どもに積み木を渡せば自然とオブジェができているように、私たちは何かをこの世に残したくて生きているのかもしれません。ですが、それが「仕事」になるということは言葉で表せない「辛さ」があるのです。

仕事にする以上、それには「締め切り」があります。締め切りがある以上、それは順守しなければいけないものです。定期的に発信する番組なのであれば、放送日までに編集まで終えている必要があります。時間は常に「限られている」ということになります。「もっと時間があればもっといいものができる」ということは「当たり前」です。そしてどうじに「言い訳」でもあります。限られた時間の中で最高のモノを創るのが、「プロ」です。

これが趣味であればいいのです。いくら時間をかけても構わないのです。ですが、それに携わることで収入を得ているのであれば、その番組を「完成させる」義務があります。それが発信されて、それに提供している企業がいて、視聴率に満足することで、はじめて「仕事ができた」ということになるからです。

すべての物事には「目的」があります。番組に関わるということはそういうことです。提供元の希望を満たすために、十分な広告効果が得られるだけの視聴率を叩きだすことが必要です。番組制作の責任にはそのようなこともついて回ります。仕事である以上、常に「数字」がついて回るということなのです。その数字はごまかせるものではなく、世間の「評価」です。その番組の評価が、制作者の評価を決めるといってもいいでしょう。その繰り返しです。

ただひとつだけいい番組を創るだけでは終われません。一度ヒットするとさらに上を求められるものです。「なぜヒットしたのか」ということを理解していなければ、次のヒットは生み出せないでしょう。そのようなさまざまな要因が絡んで、「仕事」として成立するのです。それは「追求」されるものでもあります。ただ「楽しい」と感じることだけでは済まないのです。誰もが認めるような「結果」が求められるのです。「創る」ということの辛さは、「結果」を求められるから伴います。ただ、趣味にしているだけではスケールの大きなものは作れないでしょう。それが番組制作の辛い点です。好きなことだけができるわけではないということを実感した瞬間から「プロ」なのです。

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