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人が見たいものを考える

番組を制作するということは、「誰かに見せる」ということが大前提です。誰かが見なければ「存在する価値がない」ためでもあります。制作側が「良い」と思っていたとしても、世間がそれを認めなければその番組の価値は「低い」のです。

そして番組はそれぞれ「コンセプト」があるものです。そのコンセプト、テーマに沿って制作するものです。そのコンセプトは「どのような人に見てもらうんだ」という「ターゲティング」でもあります。若者向けなのか、ファミリーなのか、どのような人が見るのかを定めないと、そもそも番組を成立させる予算が集まりません。予算が集まらないと制作自体できません。そして予算は「スポンサー」から調達しなければいけません。このご時世ですから、見込みが無い番組に投資は出来ないものです。

だから番組は「企画」の段階から「見込みがある」必要があります。

「見込みがある」ということは「沢山の人が接してくれるだろう」ということです。例えば取り上げる話題がセンセーショナルであるとか、現在人気のあるアイドルが出演するだとか、そのような「要素」です。そしてその効果は半ば「コミット」、つまり「約束」しなければいけないものです。スポンサーがつく以上、「効果があるかどうかわかりませんが」ということは許されないのです。そして、その広告枠を販売することをビジネスとしている代理店に対しても、「明示」する必要があります。

代理店は「売れる広告」を取り扱いたいのです。売れない広告はそもそも営業をかけてもムダだからです。世の中に「広告」があって、それを販売し、「マージン」を収益としているからです。ひとつの番組に対してそれだけの利害関係があるのですから、企画の段階で「これは人に見てもらえるか」ということを意識することは当然のことなのです。「人が見ない」というような番組は制作する価値がないため、その判断はとても重要なものになります。さまざまな人の利害関係を左右する重大なことです。

人に見てもらうことで「メディア」は保たれています。誰も興味を持たない、関心を示さないようなものはそもそもメディアとしての価値がないのです。メディアがメディアでいつづけるためには、「人に触れてもらう」ということを永遠に辞めるわけにはいかないのです。そのために大切なことは、「人は何を見たいのか」ということを考えることです。人の興味を捉えることです。それが的確であればあるほど、人はその番組に興味を示します。見ずにはいられなくなります。

そのようにして「見せる、見てもらう」という意識が番組制作のもっとも重要な要素です。誰も興味を示さないとわかっているものは、創ってもしかたがないのです。それはときに番組制作者の意図に反するかもしれません。それでも、趣味でない以上、人に見てもらう責任があるのです。そうしなければ「ビジネス」にならないからです。番組を放送することをビジネスとして成立させるためには、「人が見るだろう」という確信が必要です。確信を得ることで、それを提示することで、はじめてスポンサーが集まり、番組制作が可能になるのです。それは簡単なことではなく、試行錯誤の繰り返しです。

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